「半幅帯、手軽だけど可愛らしすぎる帯結びはちょっと…」と、二の足を踏んでしまう方が多いのでは。
そんな大人着物ユーザーの皆様にオススメしたい帯結びをご紹介します。
簡単でお着物のハードルを下げる結び方から、華やかな結び方、そしてピリッとかっこよくキメたい日には粋な結び方も!
目的に合わせた帯結びをお伝えしていきます!
半幅帯の変わり結び【大人向け】4選!
しっとり大人の雰囲気に 〜銀座結び風〜
大人っぽい半幅結びアレンジでおすすめなのが銀座結び風のアレンジ。割り太鼓、とも言われます。
銀座結びっぽくするために、手とタレでリボンをつくりました。お太鼓の大きさはお好みで調整してくださいね。

ころんとしたフォルムが女性らしいしっとりとした雰囲気を醸し出してくれます。
結び方はリボン返しと同じで、最後にタレを作って帯締めで止めるだけですので、基本のリボン返しをマスターしている方にはチャレンジしていただきやすいかと思います。
大人かわいいぽってりフォルム 〜風船太鼓〜
可愛くしたいけど、甘くなりすぎるのが気になる大人のお着物ユーザー様向けの結び方ならコレ!
リボンをお太鼓で包むスタイルはまるでキャンディ。
お太鼓なのでオーソドックスな着物のスタイルから外れすぎず、少し甘さを出したコーディネートです。

帯の表と裏両面が出るので、リバーシブルの半幅帯を使うのがオススメ。普段片方しか使ってないなぁ、という帯も活躍させられるチャンスです。
色柄を変えることで、キュートにも落ち着いた装いにもできるところがポイントです!
ボリュームたっぷり華やかに 〜パタパタ結び 〜
少し華やかさが欲しい場合はパタパタ結びはいかがでしょう。
簡単なのに可愛くボリュームが出る結び方は初心者さんにもオススメ。長尺の半幅帯を使うことでよりボリュームが出ますよ。


三重仮紐が無いとできないんでしょ?
なんて声が聞こえてきそうですが無問題!腰紐でも、帯揚げでも。作ったヒダが挟めればなんでも良いんです。
ちなみにこのお写真では、帯揚げを使っています。
もちろん三重仮紐があれば便利ですが、お家にあるものでいかようにもなるのがお着物の良いところでもありますね。
更にボリュームを出したいときには、飾り兵児帯や帯揚げ、ストールなんかで中にリボンを作る手も。
アレンジがしやすいところもオススメポイントのひとつです。
こなれ感が美しい粋なスタイル 〜浪人結び〜
そして、私のイチオシの結び方はこちら!
大人の女性に是非トライしていただきたい結び方、浪人結びアレンジ。スタイリッシュな雰囲気が、こなれ感を演出してくれます。

結び方もとっても簡単。
- 途中までは貝の口と同じ
- 貝の口ではタレを織り上げるところを織り上げず、結び目の下、2巻目の帯の中に入れる
こちらのお写真では、長尺の半幅帯を使用して、タレをたくさんつくりました。
気になるヒップを隠せるのもポイントです!粋な雰囲気に博多の帯が合いますね。
他にも、貝の口や片ばさみなど、男性の角帯で作る帯結びは基本的に女性の半幅帯でも流用可能です。
粋な雰囲気がお好きな方は、是非他にもチャレンジしてみてくださいね。
ご紹介した帯結びは、小紋にはもちろん、浴衣にも結んで頂けます。
いくつか覚えておけば着回し自由自在!大人の女性にも、是非半幅帯を楽しんでいただきたいです。
半幅帯の変わり結びがゆるまない結び方のコツ!
せっかく可愛く装っても、お出かけ先で緩んできたら大変。
楽しいお出かけで着崩れしないよう、注意するポイントをお伝えします!
結び目のキワで羽を開くとストッパーに。小道具も活用して
特にポリエステルの帯はゆるんできやすく、形をキープするのが難しいです。
結び目のキワのところでしっかりと羽を広げて、すべらない工夫をしましょう。
それでも心配な方は、ダブルクリップなどを使うという裏技も。
結び目に紐をイン
結び目に腰紐を入れるとリボンが下がってきづらくなります。
銀座結びではリボンが枕の代わりになりますから、丸いフォルムをキープするためにもリボンが下がってこない対策を。
こなれ感が美しい帯結びには、アクセントに帯締めを
貝の口や矢の字、浪人結びや片ばさみなど、角帯の帯結びに通ずる結び方では、洗練されたスタイリッシュさが肝。
アクセントに帯締めを入れることで、着崩れを防止しつつ、シンプルな帯周りにアクセントをつけることができます。
三分紐と合わせて帯留めをつけるのも良いですね。シンプルなコーディネートに、帯留めが映えますよ。
帯が緩んできて困る、という方は是非試してみてくださいね。
半幅帯にあう着物の種類は?大人のコーデを引き立てるアイテム♪
半幅帯はカジュアルな装いに良く合います。小紋、紬、ウール、綿、もちろん浴衣にも。
夏物では絽や紗のお着物も、カジュアルにお使い頂けます。
小紋には総柄のものや飛び柄のものなど、様々な種類があります。
- 遠目では色無地に見える江戸小紋や、無地の範囲が大きい飛び柄小紋などは、少しかしこまった場面で。
- ウールや紬などの織の着物や、総柄の小紋はよりカジュアルなシーンで。
半幅帯と一口に言っても、どんなお着物と合わせるかによって選び方や装い方が変わります。
シーンごとにオススメの組み合わせを見ていきましょう。
冬場のお出かけは暖かく!
冬場に重宝するのがウール着物。
おしゃれ着洗剤でお家でお手入れできるところもポイントです。
薄手のものや、サマーウールのものもありますので盛夏以外のオールシーズン楽しむことができます。
カジュアルなお着物ですので、半幅帯との相性もバッチリ。気軽なお出かけに是非。

こちらのコーディネートは、鮮やかなブルーのウールに同系色の半幅帯、差し色に赤の帯締め、三分紐と琉球ガラスの帯留めを合わせました。
同系色で合わせると、少しさみしく感じてしまうこともあるので、帯留めがあると重宝しますよ。
春先のお出かけは淡色の小紋と羽織で華やかに
冬場はコートが手放せなくて、なかなかお披露目する機会の無い羽織。
春はお気に入りの羽織をお召しになるチャンスです。袷のお着物とコーディネートを楽しんで。
明るいお色味のお着物は、身にまとうだけでお出かけが楽しくなりそう。
季節のお花を意識して、着物に先取りするのも粋ですよね。
少し暑くなってきたら単衣を。半幅帯で軽やかに
6、9月に着るもの、とされている単衣ですが、近年は地球温暖化の影響で猛暑続き。
もちろんお茶やお花など、改まった場では暦に添う装いが必要ですが、プライベートなシーンでは先取りもOK!
5月下旬には単衣を着はじめる方もいらっしゃいますし、マイルールで25度を超えたら単衣を着る、という方も。
裏地が無い単衣は軽くて、思わず踊りだしてしまいそうな心地に。半幅帯で身軽に装って、いつもより少し遠出してみませんか?

こちらのコーディネートはお気に入りの単衣に、母が仕立ててくれた半幅帯。差し色はブルー系に。
ストライプにも見える色柄の単衣は、ワンピース感覚で気軽に着られて、街中でも違和感なく溶け込めるような気がします。
夏は透け感が美しい薄物で
夏場の着物としてメジャーなのが、絽や紗のお着物。
透け感が美しいお着物で、長襦袢のお色味によって雰囲気が変わります。
涼しさを全面に押し出すなら淡いお色味の長襦袢を、透け感を抑えたいときには、濃い色の長襦袢を。
同じお着物でも長襦袢を変えるだけでガラリと印象が変わるのも、夏物の醍醐味。
絽はカジュアルからフォーマルまで、色柄によって様々なシーンにお使いいただけます。
半幅帯に合わせるなら、カジュアルな小紋柄をチョイスして。
夏のお着物には夏の帯でないと、なんてことはありません。気軽なお出かけなら半幅帯でOKです。

夏の短い間しか楽しめないからこそ、気負いすぎて結局今年も着れなかった!
なんてことになったらもったいない。夏場のオシャレをめいいっぱい楽しみましょう。
秋にはこっくりカラーのお着物で季節感を
袷といっても色柄は様々。春に合いそうなパステルカラー、冬に映えそうなひんやりカラー。
そして秋にはこっくりカラーのお着物が着たくなりますね。

こちらの小紋は友人に「さつまいもタルト」と呼ばれています。
さつまいもや栗など秋のスイーツが食べたくなりそうな色柄は、食欲の秋にもぴったり。
お着物というと、名古屋帯のイメージが強いですが、シーンに合わせて半幅帯だって楽しめます。
半幅帯なら気負わず気軽にお出かけできますから、お着物を着る機会も増えますね。
浴衣にしか合わせたこと無いわ、という方も今年は小紋やウール、綿のお着物に半幅帯でお出かけしてみませんか。
機会が増えることでますますお着物が楽しくなること間違いなし。
伝統は尊重しつつ、現代に合わせた装いも取り入れていけたら、着物の可能性はもっと広がっていくんじゃないかな、なんて思っています。
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