着物を着るときに下に着る物の【長襦袢】が面倒で難しいと感じた方は多いと思います。
長襦袢を着ない着方は冠婚葬祭や成人式以外の普段着でしたら大丈夫ですよ。
長襦袢を着なければならないときや着なくてもいいときについて紹介します。
【着物パトロール】という方達が昔は多く正式な着方以外の着方について厳しかったようですが、今は昔より厳しく言われる時代ではないです。
長襦袢は必要な物と思われていますが、それは式事などのきちんとした場での話です。
堅苦しい感じが残る着物ですが、最近では自由な着方をする方も増えています。
長襦袢なしで着る着物に対応したアイテムもいろいろ出ていますので、ご紹介しますね。
Contents
着物を長襦袢なしで着るのは大丈夫?

着物は長襦袢なしでも簡単に着られる方法があることや、着付けの工程を減らして着用できる方法などを紹介していきます。
40代や50代の方は、着物の下に長襦袢を着る方法が正しい着方だと親世代に教わり、受け継がれてきたことでしょう。
しかし、現代は昔に比べ、平均気温も変化しつつあり、それに伴い着物業界でも着方の変化が起こっています。
もちろん、式事や成人式では昔からの長襦袢を着る方法が、必要最低限のマナーと言われているのは変わりません。
変わったのは、普段着などの遊び着に着物のアレンジが増えたことです。
着物を着るときの工程を知っていますか?
着付けの工程
- 着物用ブラなどの着用
- 肌襦袢の着用
- 長襦袢の着用
- 着物の着用
- 帯・帯締め・帯揚げの着用
着物を着るだけでも、これだけの工程があります。
これは正装といわれ、式事などの大事な行事に出席するための装いです。
この工程を普段着でやるには、とても手間がかかり普段から着慣れている方でも面倒に感じる方も多いでしょう。
また、着慣ていない方や、初心者には準備する小物類も多く、手間と勇気がいりますよね。
そしてなにより、【金銭的】な負担が一番大きいと思います。
長襦袢の特徴
長襦袢は、洋服でいうならキャミソールやインナーのような物です。
着物は洋服と違い、汗や皮脂にすごく弱く繊細なものだということを知っていますか。
長年保管ができて、昔の物も状態よく残っているものもあり、丈夫なものと思う人も中にはいると思います。
しかし、正絹で仕立てられたものが多い着物は、特に夏場や梅雨時期に注意が必要です。
洗える着物以外は家で洗うことができないため、1回着用したものでも呉服店に丸洗いに出さないと、後々でシミや落ちない汚れの原因になります。
外からも中からの刺激にも弱い着物ですが、長襦袢を着用することにより着物自体が直接肌に触れないため、皮脂や汗から守ってくれるのです。
また長襦袢は着物から少しのぞく襟元の半襟を変えることにより、同じ着物でも雰囲気が変わる楽しみもあります。
長襦袢自体が汗をよく吸う性質ではないため、長襦袢の中にキャミソールなどの綿素材はあったほうがいいでしょう。
本来でしたら、肌襦袢というキャミソールと同じ役割の物を着用します。
長襦袢の種類
- 一部式・二部式
簡単に言えばワンピースタイプか、上下分かれているものかの違いです。 - 冬用・夏用・春秋用
冬用の袷と、夏用の絽や透け感のある生地、春秋ようの単衣の3種類あります。
今は時期というより、気温で着物の素材を選ばれる方が多いようです。 - 白色・柄や色物
ベーシックな白色は式事から普段着まで幅広く着ることができる一般的な長襦袢、柄や色物は振袖やおしゃれ用です。
着物を長襦袢なしで着用するのに必要な物

長襦袢を着用せずに着物を着る方法は3種類ほどあります。
- 半襟だけのものと洋服のインナーを合わせる
- 半襟自体を洋服などで代用する
- 肌襦袢と半襟が合わさったものを使う
上記の方法はみんな長襦袢なしでも着物を着用することができます。
冠婚葬祭や、振袖の式事では長襦袢を着用してください。
また、お茶会も開かれる規模や格式により、長襦袢の着用を検討してください。
長襦袢は着る着物のサイズに合わせて仕立てます。長襦袢と着物をセットで仕立てる場合は、着物に合わせて長襦袢のサイズも仕立てあがってきます。
別で仕立てる場合は、着る着物のサイズに合わせて仕立てなければいけません。
長襦袢は着物の下に着る物なので、着物と同じ寸法やそれよりも大きく作られてしまうと、着にくさや袖がはみ出してしまうなど問題点がいろいろ出てきます。
既製品の長襦袢も売っていて、着物より小さいサイズを選ぶことはできます。
しかし、逆に小さすぎてしまったり、着物との相性が悪かったりする場合もあります。
3種類のアイテムは、サイズをあまり気にしなくていいのが利点です。そして、通常の長襦袢を呉服店で揃えるよりも安く済みます。
1:半襟だけのものと洋服のインナーを合わせる
長襦袢についている半襟の衿だけが独立している【うそつき衿】というもの売っています。こちらは、立体的な衿と衣紋抜き、体に巻き付けて固定する紐がついているだけのものです。
衿のみなので、長襦袢のようにサイズを気にせずに着用できます。また、肌襦袢ではなく洋服のインナーに合わせて着ると、着やすくごわつき感も軽減されます。
2:半襟自体を洋服などで代用する
着物の下から少し覗く半襟を洋服で代用するやり方です。こちらは、半襟というよりもタートルネックやフード付きパーカーなどになります。
普通の店で気軽に手に入り、また着なれているのもメリットです。
ただ、着物を着る時に少し首元が窮屈にならないような工夫は必要です。
3:肌襦袢と半襟が合わさったものを使う
スリップ襦袢という商品があります。長襦袢についている半襟と肌襦袢を合わせたものです。
長襦袢のように着物の袖口から長襦袢を覗かせることはできませんが、見えてもいいように袖口にレースが施されているものが多いです。
肌襦袢の上に長襦袢をきるとごわつきなどで着心地が分厚くなってしまいます。
その点、こちらは、肌襦袢と長襦袢が合わさったものなので、この上から着物を着ていただければ、ごわつきなども解消されるでしょう。
着物を長襦袢なしで着用!適した種類と場面

おしゃれ着の着物といっても、なんの着物を選べばいいのか迷われる方は多いでしょう。
冠婚葬祭のや成人式に普段着はマナー違反とみなされ着用できません。ドレスと同じですね。
式事にはきちんと礼装していった方がいいでしょう。
冠婚葬祭・成人式
- 黒留袖 結婚式で新郎新婦の母や叔母など親族がよく着用します。
- 色留袖 結婚式で親族がよく着用します。
- 振袖 成人式で新成人が多く着用します。
- 喪服 葬式に着用する着物です。
- 訪問着 結婚式などの式場でパーティードレスと一緒に着用します。
- 色無地 七五三、入学式や卒園式、お茶会などによく着用します。
ほかにも、昔ながらの付け下げや江戸小紋などありますが、あまり知っている方はいないと思います。
一つ紋を入れて着物の格が上がる特殊なタイプになります。今からの時代に式事での着物を仕立てるのでしたら、一番最初は一番無難な訪問着がいいでしょう。
上の方の黒留袖や訪問着や喪服は40代や50代はすぐにわかると思います。振袖については、若い方たちに唯一しられている着物と言えるでしょう。
色無地に関しては、普段着のカジュアル着でも、礼装に完全に不向きというわけではありません。
長襦袢を着ないで着物を着用するのに向いている種類は上記以外になります。
おしゃれ着用の着物
- 洗える着物 自宅の洗濯機で丸洗いができる着物で有名です。柄や分類は小紋ですが、生地が違います。
- 小紋 着物の普段着でベーシックなのは小紋、柄も豊富です。普段着しか着る事が出来ません。
- 江戸小紋 一つ紋を付けることにより式事にも使える着物です。小さい柄で遠目でみると無地にみえるのも特徴的になります。
- 色無地 柄いきの激しい着物が多い中、無地の着物を選ばれる方も少なくないです。完全に不向きではありません。
まとめ

- 着物は皮脂や汗に弱いので肌が当たらないようにインナー系の物を長襦袢の代わりにする着方がよい
- カジュアルな着方や普段着などの着物では長襦袢を着用しない着方をしても大丈夫
- 冠婚葬祭や位の高いお茶会、成人式などでは長襦袢の着用は最低限のマナー
長襦袢の特徴は着物が肌に触ることにより皮脂や汗などの汚れがつくことから守る事です。
したがって、式事以外のおしゃれ着では必ず着なければならない訳ではありません。
また肌につかないようにしていても、汗や皮脂がが完全につかない事は不可能なので、高価な着物などは頻繁に呉服店で丸洗いに出すなどのケアをしておくと安心できます。
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