裏地がないため軽くて扱いやすい単衣着物。そんな単衣を楽しむコツをお届けしていきますよ!
単衣はいつ着るの?
何を合わせたらいいの?
正式なルールに従わないと着ちゃダメ?
そんな疑問にお答えします。工夫次第で様々なシーンでお使い頂ける単衣は、私も大好きな着物のひとつ。
溢れる愛を存分にお伝えしていきますのでゆっくりしていってくださいね。
Contents
単衣の着物の時期は6月・9月以外でもOK♪
近頃は、地球温暖化の影響で猛暑続き。ゴールデンウィーク頃には急激に暑くなることもしばしば。
暦に合わせた装いは素敵ですが、体調を崩してしまっては本末転倒です。
袷から単衣の切り替えのタイミングはしっかり見極めていきましょう。
単衣の着物への衣替えのポイントは3つ!
暦を少しだけ先取り
「暦からズレた装いはあまり…。」という方もいらっしゃると思います。
もちろん、茶道や華道など正式な場では暦に則した装いが必要になりますが、プライベートな場では少しの前倒しはOK!
5月中旬ごろを目安にしましょう。
体感を重視
私の周りにはマイルールで気温が25℃を超えたら単衣解禁、という方もいらっしゃいます。
近年は天気予報と合わせて服装指数をお知らせしてくれるウェブサイトなどもありますよね。
着物も身にまとうものであり、その時々に合わせて選んで良いのです。ご自身の負担にならない装いをチョイスしましょう!
先取りがOKならもちろん延長もOK
ファッションの世界では先取りがオシャレとされています。
それは着物も同じで、季節のお花のモチーフを少し先取りして身にまとうのが粋(いき)とされています。
しかし、それはあくまでも「粋」というだけで、かならずその考えに合わせなければならない、ということではないのです。
10月の頭はまだまだ暑い日が続きます。
暑いからまだ単衣で過ごしたいけど、季節感も気にしたい、という場合は色柄を少し秋らしいものをチョイスすると良いですよ。
また、自然素材の正絹に比べて、化繊は風を通しにくいです。
日中は暑いけど、朝晩は肌寒いと感じる季節に、化繊の単衣があると重宝します。
季節感と合わせて、素材もお着物選びの参考にしてくださいね。
単衣着物は6、9月しか着られないから毎年タイミングを逃している、という方も、是非今年はチャレンジしてみてください!
着物の種類と着用時期をおさらいしよう
単衣 6、9月
単衣とは、裏地がなく、さらに透け感がないお着物です。
正絹や化繊など、様々な素材のお着物があります。
袷(あわせ) 10月〜5月
袷(あわせ)は、裏地がついている着物で、一番オーソドックスなお着物です。
6〜9月の暑くなってくる時期を避けて着用します。
薄物 7、8月
素材は絽や紗、麻などで盛夏に着用します。裏地がなく、透け感のあるお着物で、涼し気な印象が強いお着物です
単衣の着物に合わせる帯や小物は?長襦袢も快適に過ごすポイントに!
単衣着物に合わせる帯や小物はどんなものすべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。
しかし、いくつかのポイントを抑えておけば、小物選びがしやすくなります。
ここからは単衣に合わせる帯や小物の選び方をお伝えします!
帯や小物も【先取り】を意識
春から夏の単衣にあわせる小物
夏を意識した涼しげなものがよいでしょう。
夏帯はもちろん、夏物でなくても博多織の名古屋帯など、帯芯がないものが使いやすいです。
また、夏らしさを演出するアイテムを取り入れるなら、帯締めが安価で手に入りやすくオススメです。
半衿を夏物にするのも良いですね。
風通しの良いさらりとした素材の半衿は「夏の半衿」などで検索するとたくさん見つけることができますよ。
絽や麻、レースなど、お気に入りの半衿を見つけてくださいね。
ライム色やスカイブルーが涼し気なファブリック帯に、夏物の帯締めを合わせた単衣コーディネート。
明確に夏物と定義できる小物は帯締めのみです。
衿や帯の白がクリアカラーなので、素材としては夏物ではないけれど、夏を連想させますよね。
夏から秋の単衣に合わせる小物
秋冬を意識した素材感、色味のものがよいでしょう。
芯の入っていない八寸名古屋帯はもちろん、芯の入っている九寸名古屋帯もお使い頂けます。
季節の先取りを意識して、透け感の強いアイテムは控えめに。
袷の着物に合わせるアイテムを取り入れるのが粋に見えるポイントです。
これだけ押さえておけばぐっとコーディネートしやすくなりますよ。
こちらはオレンジ色の単衣にブラウンのファブリック帯を合わせたコーディネートです。
これからやってくる冬を意識して、透け感は避けて、小物類もブラウンや黒のダークトーンを多めに。
お色味だけでも季節感は十分出せるので、手持ちに素材感のあるものがなくても問題なし。
快適さを追求するなら長襦袢もこだわって
着物の下にまとう長襦袢も、重要な役割を担います。夏物のさらりとした素材の長襦袢をひとつ買い足してみるのはいかがでしょう。
自然素材・化繊など、様々な素材の長襦袢がありますよ。
私自身の好みの話にはなってしまいますが、オススメはこんな感じです。
私のおすすめ長襦袢ポイント
- 肌に張り付かない素材のもの
袷の時期に着ていたポリエステルの長襦袢があまりにも暑すぎたので、吸湿速乾タイプの長襦袢を買い足しました。 - 洗えるもの
夏場はやはり汗をたくさんかきますので、家でじゃぶじゃぶ気兼ねなく洗えるのも重要なポイントです。
洗濯の際は脱水は控えめに。
しずくが滴るくらいの状態で干すことで、生地の重みでシワが伸びます。
袖口や衿など見えるところだけささっとアイロンをかけて着用しちゃいます。 - 薄物の中に着用することを考えて、気分が上がる色味のもの
白の長襦袢ばかりだと気分が上がらないな、と思い、買い足した襦袢はラベンダーカラーのものにしました。
薄物の下に着ると、襦袢の色味がほのかに透けて可愛いんです。
単衣の着物を一年中着るコツは?夏・冬のコーデ術♪
夏単衣はまとう布を減らすべし!
最近の夏は、とにかく暑いですから、まとう布も限界まで減らしましょう。
補正はタオルのみにする
コットンでしっかり補正してしまうと、熱気がこもってサウナ状態に。無理は禁物です。
なぜタオルは残すのか、というと汗取りの役割ですね。
着物の下で滝のように汗が流れている状態は本当に不快なので、タオルはあったほうが良いでしょう。
襦袢を省略して美容衿を活用する
美容衿は、あたかも長襦袢を着ているように見せかけて、実際には衿しかないという便利グッズです。
キャミソールや肌着の上に使います。
伊達締めは使わない
伊達締めも意外と暑いので、夏場は使用しないことも。
博多織の伊達締めもそうですが、マジックテープタイプのものは比にならないくらい暑いです。
夏場は省略することも視野にいれましょう。
冬単衣は寒さ対策を万全に!
まず重要なのが寒さ対策です。裏地が無い分、寒さを感じやすいのでコートやレギンス、ショールなどで対策しましょう。
洋装MIXコーデに抵抗がないようなら、タートルネックを中にまとうのもオススメですよ。
ブーツと合わせてワンピース感覚でお出かけを楽しんでください。
小物はファーやスエードなど、季節感のある素材を選ぶのがオススメです。着物が単衣なので、小物でバランスを取りましょう。
初夏に楽しむ単衣コーデ♪
こちらのコーディネートは数年前の6月に友人とライブに行ったときのものです。
ふたりとも暑がりなので、襦袢は着用せず美容衿を使いました。
黄色と緑が初夏の生き生きとした植物を連想させて、素敵なリンクコーデになったと自画自賛しています。
私も友人も、夏物をたくさん持っているわけではありません。
それでも色味を工夫したり、布の数を引き算したりしながら、単衣着物を楽しんでいます。
ルールにしばられすぎず、でも良い習慣は取り入れつつ、それぞれの楽しみ方を見つけられたら良いと思っています。
この記事を読んでくださった方が、今年は単衣を着てみようかな?なんて思ってくださったら、単衣着物好きとしてはとても嬉しいです!
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